場面緘黙に関する本④ マンガ『かんもくって何なの?!』

日本語教師の吉田美登利です。

 

場面緘黙に関する本レビュー4冊目は

漫画『かんもくって何なの?!』を

紹介したいと思います。

 

かんもくって 何なの!?: しゃべれない日々を脱け出た私

かんもくって 何なの!?: しゃべれない日々を脱け出た私

 

 

この自伝的マンガは、

幼稚園入園前から始まります。

 

緘黙という「不安障害」であることを

自分も周りも知らず、どんどん苦しい状況になっていく主人公。

お母さんの虐待や、先生の尋常じゃないひどい対応、

 

「おとなしいから誰にも言わないよね」

とバイト先での性的被害…

 

良く乗り越えてきたな、と思います。

そしていろんな読者に当事者の声として

「場面緘黙」を伝えようと漫画にするのは

相当きつかったんじゃないかと思います。

誰かのためにと赤裸々に過去を描いてくださったことを

本当にありがたく思いながら読みました。

 

症状がひどくなったときは、緊張のあまり

うなずいたり、

体を動かすことすら

大変な時もあったとのこと。

(緘動ー動作がしづらくなる状態)

 

でも、おしゃべりが苦手な主人公の意外な特技は

なんと「面接試験!」

 

普段は話せなくても、正解のフォーマットがある

面接は日々のおしゃべりよりハードルが低い、

ということでした。

 

これを読んで緘黙の症状は人によっていろいろ違うんだなあと

改めて実感しました。

 

話は、成長して漫画を描くようになったいまの作者

まで続きます。波乱万丈ながらも、とても共感できる

マンガでした。

 

それにしても、緘黙の方って、感覚が繊細だからか

絵や心理描写が細やかで、一種の才能って言えるよなぁとも

思いました。