場面緘黙の本のレビュー③マンガ『私はかんもくガール』

日本語教師の吉田美登利です。

 

ことば、とは何のために学ぶかと聞かれると

コミュニケーションのため、と今までは考えていました。

でも、緘黙関係の本を読むと、

 

「はっきりと自分の意思を伝えるため」

「Noを言えるようになるため」

 

と感じてしまいます。

 

今日紹介するのは、漫画です。

らせんゆむさんの

『私はかんもくガール

―しゃべりたいのにしゃべれない

場面緘黙症のなんかおかしな日常』

 

です。

 

私はかんもくガール: しゃべりたいのにしゃべれない 場面緘黙症のなんかおかしな日常

私はかんもくガール: しゃべりたいのにしゃべれない 場面緘黙症のなんかおかしな日常

 

 

 

明るくてかわいらしいイラストや漫画を描かれる

らせんゆむさん。

 

幼稚園入園前から、

美大を卒業して、子育てしながらイラストレーターをしている

現在までのかんもくガールの日常が生き生きとした漫画で描かれています。

 

少しずつ、良くなったり、緘黙の後遺症で苦しんだり。

たまにはいいこともあったり、

絵や音楽、水泳など得意なことが学生生活の

支えとなっていることが漫画で、また専門家の医学解説とともに

分かりやすく書かれています。

 

ゆむさんは、幼稚園ではほとんど話せないけれど、

お母さんと散歩しているときは普通に話せ、

それをクラスメートに見られて落ち込んだというエピソード。

 

中学時代は、自分の所属する吹奏楽部では、

緘黙ではないものの、ほとんど話せない状態なのに、

他校との合同練習では、自然と話せたり、

緘黙の難しさが分かるエピソードが当事者視点で語られます。

 

美術系高校から美大へ、そして就職と

ゆむさんの成長についてわくわくしながら読みました。

結婚、出産そして

「ひとりでも多くのかんもくの人のために」

自分の経験を漫画にしようと決意したシーンは

本当に素敵でした!