ロイロノート シンキングツール大研修会に行ってきました。

3月21日に横浜の大桟橋ホールで行われた 

「ロイロノート シンキングツール大研修会」に行ってきました。

 

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 関西、その他、遠方から来ている先生方も多く、皆さんとても熱心な様子でした。

私が参加したワークショップは国語科の

「論理的な文章を書こう」がテーマでした。

小学校から高校の先生が多かったためもあり、

初めて「指導要領に沿って」教案を作成したのですが、

特に違和感はありませんでした。

 

日本語学校の先生方2人とグループになりと教材、教案をあれこれ

作成し、練り直したりして、最後は結構いいものが作れたのではないかと

思っています。使ったことがないシンキングツールの

使い方も、実際に作ってみると、よく分かってきたように感じました。

 

ワークショップの会場は以前、友人の結婚式で来たことがありました。

そんな、おしゃれな会場に、おしゃれな音楽がかかり

(なんと、ミラーボールも回っていました)

「リラックスした雰囲気で創り上げていく会となりますので

カジュアルな服装でお越しください」という指示もあり、

それでかなり自由闊達に話せる雰囲気になっていたように感じます。

 

こんな雰囲気づくりを授業にも生かしてみたいです。

 

晴れていたので、持参したお弁当を山下公園で食べました。

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祝日だったせいで、とてものんびりした雰囲気の

公園のランチタイムになりました。

 

山下公園は何度か来たことがありましたが、

こんなに「綺麗だなぁ~!」と思ったのは

初めてのことでした。

 

日本語表現科目の授業実践 HPに掲載されました

日本語教師の吉田美登利です。

 

初年次文章表現のクラスの授業実践が、

溝上慎一先生のHPで公開されました。

 

(AL関連の実践)【大学/日本語表現法】「総合力」育成を目指した初年次教育における日本語表現科目

 

2017年度に学習院大学の日本語表現法の授業で

アクティブラーニングに関する質問紙調査を行いました。

(結果はHP内のグラフ)

 

その結果を受けて、2018年度に森朋子先生、本田周二先生が授業見学に

学習院においでくださり、アクティブラーニングの観点から、

授業についてコメントをくださいました。

 

そして、色々な活動のバリエーションのご提案をいただきました。

一番印象に残ったアドバイスは、私が学生に身に付けようとして行っている

あれこれ様々な活動の意図を、適宜細かに学生さんに伝えれば、その方略を

このクラス(=学習院の)学生はうまく自分のものにすることが

出来るだろう、というお話でした。

 

普段、授業に具体的なアドバイスをいただくチャンスは

ほとんどないので、とてもありがたかったです。

調査の協力者の皆様もありがとうございました!

 

日本語表現法の授業、来年度はもっと

パワーアップしてやっていければと思っています。

 

 

 

場面緘黙に関する本⑤ 『学校における場面緘黙への対応』

日本語教師の吉田美登利です。

 

いつも本を読むときには同じ著者や、同じトピックに関するものを

まとめて10冊程読みます。

そうすると、少しは理解が深まる気がします。

 

色々と紹介したい本はあるのですが、

せっかくなので、あまりほかの人が紹介しない

本を紹介していきたいと思います。

 

場面緘黙の本、5冊目

『合理的配慮から支援計画作成まで

―学校における場面緘黙への対応』

昨年(2017年3月)に刊行された新しい本です。

 

学校における場面緘黙への対応:合理的配慮から支援計画作成まで

学校における場面緘黙への対応:合理的配慮から支援計画作成まで

 

 

一般の教員向けの本ですが、

言語発達やシャイネス、吃音などの

先行研究、論文が引用されており、

読みやすいながらも、比較的学術論文に

近い形の本だと思います。

 

p.17

場面緘黙を「本来の力を発揮することの抑制」として捉えれば、

介入のゴールは話せるようになることではなく

「本来の力が発揮できるようになること」である。

 

p.23

場面緘黙はそれ自体が不安障害の一つ分類させているが、

そのほかに様々な不安障害を伴っているケースがある。

(中略)

社交不安障害は特に場面緘黙との関連が強いことが

海外の研究で指摘されている。

 

 

p.27-28

場面緘黙児の多くには、不安や恐怖だけでなく言語障害

ことばの問題がかかわっている。海外の研究では

場面緘黙児の半数程度にことばや発達の遅れや言語障害

があることが報告されている。

「あまり堪能ではない外国語で会話するようなもの」

 

p.45

場面緘黙は「障害」に該当するから、

(学校生活において)合理的配慮の対象となる。

 

p.51

教師によっては怒鳴ったり威嚇したりすることがある。

場面緘黙児は自分自身に言われたことでなくても誰かがそのような

形で注意を受けていると恐怖を感じることが多い。

(中略)

クラス全体に聞こえうように大きな声を出すのは良いが、

怖がらせる必要はない。不適切な行動を注意したり指導をしたりするのも、

怒鳴らないで行うほうが効果的である。

 

p.76~84

評価や成績は合理的配慮が必要。

(書くことや、家での録音・録画で代替するなど)

 

メッセージとしての評価であれば、それは児童・生徒の今後の

学びに資するものでなければならない。場面緘黙児が他の児童と

同じように歌が歌えなかったとしても、それは当たり前のことである。

「歌が歌えなかったから音楽の成績は評価できません」という対応は

子どもや保護者を傷つけるだけであり、教育的な価値はない。

通知表への記載は、代替的な内容での評価を保障したうえで、

学習への動機づけを図るものでなければならない(p.83)。

 

 

***********

学校における合理的配慮の必要性ですが、

私の担当する大学のクラスでも、登校できない

(障害を持っている)学生の評価をどうするか、など

簡単に解決できない問題があります。

この本のように、代替案や、具体的な支援策が

書いてあると大変参考になります。

 

刊行がされて間もない本なので、最新の様々な研究成果と支援策を

手軽に知ることができる本だと思います。

 

 

 

 

 

場面緘黙に関する本④ マンガ『かんもくって何なの?!』

日本語教師の吉田美登利です。

 

場面緘黙に関する本レビュー4冊目は

漫画『かんもくって何なの?!』を

紹介したいと思います。

 

かんもくって 何なの!?: しゃべれない日々を脱け出た私

かんもくって 何なの!?: しゃべれない日々を脱け出た私

 

 

この自伝的マンガは、

幼稚園入園前から始まります。

 

緘黙という「不安障害」であることを

自分も周りも知らず、どんどん苦しい状況になっていく主人公。

お母さんの虐待や、先生の尋常じゃないひどい対応、

 

「おとなしいから誰にも言わないよね」

とバイト先での性的被害…

 

良く乗り越えてきたな、と思います。

そしていろんな読者に当事者の声として

「場面緘黙」を伝えようと漫画にするのは

相当きつかったんじゃないかと思います。

誰かのためにと赤裸々に過去を描いてくださったことを

本当にありがたく思いながら読みました。

 

症状がひどくなったときは、緊張のあまり

うなずいたり、

体を動かすことすら

大変な時もあったとのこと。

(緘動ー動作がしづらくなる状態)

 

でも、おしゃべりが苦手な主人公の意外な特技は

なんと「面接試験!」

 

普段は話せなくても、正解のフォーマットがある

面接は日々のおしゃべりよりハードルが低い、

ということでした。

 

これを読んで緘黙の症状は人によっていろいろ違うんだなあと

改めて実感しました。

 

話は、成長して漫画を描くようになったいまの作者

まで続きます。波乱万丈ながらも、とても共感できる

マンガでした。

 

それにしても、緘黙の方って、感覚が繊細だからか

絵や心理描写が細やかで、一種の才能って言えるよなぁとも

思いました。

 

 

 

レベル差がある学部留学生におすすめの日本語テキスト

 

日本語教師の吉田美登利です。

 

今学期、学部留学生にはこちらのテキスト

『ロールプレイで学ぶ中級から上級への日本語会話』

を使っています。

新版 ロールプレイで学ぶ 中級から上級への日本語会話

新版 ロールプレイで学ぶ 中級から上級への日本語会話

 

人数が多く、レベル差のあるクラスでも

使いやすいテキストです。

そしてなによりロールプレイのテーマが

やってみたい、と思わせるものばかりです。

 

文型の導入は、会話の後、

つまり学生にロールプレイさせたあと、

誤りがあったら訂正する形で

文型の導入を行っています。

 

ロールプレイを使うと、

実際の言語使用に近い形で

日本語を教えられるところが

気に入っています。

 

そして、横浜の大学でこれを使って

ロールプレイをすると、

「そーじゃん!」などのハマ言葉

(横浜の言葉、神奈川弁)を

東京の留学生よりよく使っているのが分かります。

 

神奈川出身の私としては、

とても興味深いです。

 

 

 

  

場面緘黙の本のレビュー③マンガ『私はかんもくガール』

日本語教師の吉田美登利です。

 

ことば、とは何のために学ぶかと聞かれると

コミュニケーションのため、と今までは考えていました。

でも、緘黙関係の本を読むと、

 

「はっきりと自分の意思を伝えるため」

「Noを言えるようになるため」

 

と感じてしまいます。

 

今日紹介するのは、漫画です。

らせんゆむさんの

『私はかんもくガール

―しゃべりたいのにしゃべれない

場面緘黙症のなんかおかしな日常』

 

です。

 

私はかんもくガール: しゃべりたいのにしゃべれない 場面緘黙症のなんかおかしな日常

私はかんもくガール: しゃべりたいのにしゃべれない 場面緘黙症のなんかおかしな日常

 

 

 

明るくてかわいらしいイラストや漫画を描かれる

らせんゆむさん。

 

幼稚園入園前から、

美大を卒業して、子育てしながらイラストレーターをしている

現在までのかんもくガールの日常が生き生きとした漫画で描かれています。

 

少しずつ、良くなったり、緘黙の後遺症で苦しんだり。

たまにはいいこともあったり、

絵や音楽、水泳など得意なことが学生生活の

支えとなっていることが漫画で、また専門家の医学解説とともに

分かりやすく書かれています。

 

ゆむさんは、幼稚園ではほとんど話せないけれど、

お母さんと散歩しているときは普通に話せ、

それをクラスメートに見られて落ち込んだというエピソード。

 

中学時代は、自分の所属する吹奏楽部では、

緘黙ではないものの、ほとんど話せない状態なのに、

他校との合同練習では、自然と話せたり、

緘黙の難しさが分かるエピソードが当事者視点で語られます。

 

美術系高校から美大へ、そして就職と

ゆむさんの成長についてわくわくしながら読みました。

結婚、出産そして

「ひとりでも多くのかんもくの人のために」

自分の経験を漫画にしようと決意したシーンは

本当に素敵でした!

 

 

 

場面緘黙の本レビュー②『なっちゃんの声 学校で話せない子供たちの理解のために』

日本語教師の吉田美登利です。

昨日に続いて、場面緘黙(選択制緘黙)の

お勧めの本を紹介したいと思います。

 

小学生や、小学校、幼保の先生向けにお勧めなのは

この本です。

なっちゃんの声 学校で話せない子供たちの理解のために』

なっちゃんの声ー学校で話せない子どもたちの理解のために

なっちゃんの声ー学校で話せない子どもたちの理解のために

  • 作者: はやしみこ,金原洋治,かんもくネット
  • 出版社/メーカー: 学苑社
  • 発売日: 2011/01/20
  • メディア: 単行本
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こちらは昨日紹介した『どうして声が出ないの?漫画でわかる場面緘黙

の漫画と同じはやしみこさんの書かれた絵本(医学解説つき)です。

 

はやしみこさんの絵からは、小学生たちの可愛さ、学校生活の雰囲気が

生き生きと伝わってきます。

 

おしゃべりできないなっちゃんに対して

クラスメートが「『あ』って言ってみて」

などと、無邪気に話しかける場面、これは実際に

色んな緘黙児が体験することのようです。

 

ストレスで、だんだんおなかが痛くなってしまい

保健室に連れていかれたなっちゃん

保健室に迎えに来たお母さんが、子供たちに

なっちゃんの症状を分かりやすく説明することで、

子どもたちは、なっちゃんに対する理解を深めます。

 

「早くおなかが治るといいね。

なおったら一緒に遊ぼうね」

とお母さんと帰宅するなっちゃん

昇降口まで見送る子供たち。

 

小学校低学年の子供たち向けの本ですが、

後半に医学解説と

12歳の緘黙経験者のコメントなどがあり、なかなか

読み応えがあると思います。

 

同書によると場面緘黙症の発症率は、0.2~0.7だそうで、

学校に何人かはこの症状の子どもがいる可能性がありますし、

どの先生も授業を担当する可能性があるでしょう。

 

学校図書館には数冊置いておいてほしいと思う本です。