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日本語の授業  映画「君の名は。」と東日本大震災

 

日本語教師の吉田美登利です。

 

「茶道」や「華道」だけが日本文化じゃなくて、

現在進行形で今人気があるものこそ日本文化だよ!

と恩師に教わって以来、

1学期に最低一つは「今流行っているもの」を取り上げています。

 

今学期は『君の名は。』を取り上げました。

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(小2の娘が描いた絵です)

 

私自身は冬休みをの時間を利用して、やっと映画を見に行けたのですが、

学生さんは2人を除いて、クラスのほとんどの人が見ていました。

 

もちろん、見ていない人にも面白くて、日本語の勉強になるような

ネタはないかと思って使ったのがこれ。

新海監督のインタビュー記事です。

 http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/20/makoto-shinkai_n_13739354.html

 

まず、記事を読む前にディスカッションをしました。

 

・異性と入れ替わったら何をしたい?

・前世や運命をを信じる?

・あなたにとっての「かけがえのない日常」とは?

・どうしてタイトルに「。」がある?

・映画を見た人は、どこが良かった?

・多くの外国でも大人気だそうだけど、日本人と自国の人の視点は同じ?

・「中国語のタイトルは『你的名字(あなたの名前)」と疑問文じゃないけど、

 どうして?ほかの言語はどう?

 

面白い意見が沢山出ました。

 

「タイトルの『。』は始めは間違いかと思ったけど、

物語を見てから、ハッピーエンドを意味していると思った」

 

「『君の名は。』が、もし「君の名は?」だったら

中国語も疑問文に訳されていたのでは」

 

というコメントもありました。

 

インタビュー記事の感想は、

 

・「日本人の震災への思いの深さを感じました」

・「今までの新海監督の作品と違ってこの映画がハッピーエンドなのは

 売るためだというような批判も聞いたことがあったけど、

 これを読んで監督の気持ちが良く分かりました。」

・映画を見た人で、このインタビューを読んでいない、特に留学生に

 この記事を見せたいです。きっとこの映画をもう一度好きになります。

 

やっぱり、答えのない問題について話すのは面白いですね。

学生さんの方がいい答えを持っていたりします。

 

イマドキの日本語 子ども編「あけましておめれとう!」

日本語教師の吉田美登利です。

 

皆様、あけまして

おめでとうございます。

2017年が、世界中の皆様にとって

良い年になりますように。

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(江の島から見た富士山です。)

 

ところで「おめでとう」という言葉、

6才の次女には「おめれとう」と聞こえるそうで、

年賀状に「あけましておめれとう」と書いていました。

 

「おめ『で』とうだよ!」

と伝えると、

「だって『れ』って言ってるでしょ?」

と不思議そうな様子。

 

そう言われると、確かに

「で」より「れ」

に近い発音かもしれません。

 

この他に、最近気になったのが

「大丈夫」。2年生の長女は

「大丈夫」を断りの意味で使います。

 

「お茶飲む?」

「大丈夫!」

 

英語のNo,thank you. に近い意味なのでしょうか。

英語ではNoと意思が見えますが、大丈夫と言われると、

「何が大丈夫なんだい??」と思ってしまいます。

 

小学校に入って、言葉がカジュアルに変化した長女。例えば、

 

■形容詞のい抜き

「暑! コワ! 固!…」など

 

大人も「イタッ!」などは

言うと思いますが、

イマドキの小学生は

「い」抜きすぎだろう、

と思うくらい抜きます…

 

■私→「うち」

 なぜここだけ関西風になるのか謎。

 

次女も今年は小学生。

どんな風に言葉が変化するか

楽しみです。

 

 

2016年後期の留学生授業まとめ(「旧伊藤博文金沢別邸」見学→歴史の授業)

日本語、日本語の授業

日本語教師の吉田美登利です。

 

あっという間に一年が終わります。

色々なことに挑戦した分、失敗も多かったけれど、周りの人に恵まれ、

とても良い一年でした。

 

大みそかの今日、2016年後期の留学生の授業を、

年内分だけまとめておきたいと思います。

 

(1)留学生クラスで野島公園へ行きました。

 

去年も行った野島公園。大学から歩いて15分ぐらいにあります。

今年は丘の上にある展望台に上りました。

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寒くて少し曇っていましたが、

遠くまで見渡すことができました。

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そのあと公園内にある「旧伊藤博文金沢別邸」へ。

ここで大日本帝国憲法を作成したそうで

明治天皇もここへ何度か訪れていたそうです。

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この施設はなんと無料。

美しい日本家屋と庭園を見ることができて、

歴史の勉強もできて、留学生には本当に

良い施設でした。(日本人の皆さまにもおススメ!)

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そのあと、レストランでみんなでランチ。

「楽しかった!」と笑顔の学生さんたちでした。

 

(2)伊藤博文についての文章を読み比べ

「歴史」を授業で取り上げることはあまりしないのですが、

せっかく別邸へ行ったので、伊藤博文について学びました。

 

伊藤博文は、国によって大きくイメージが違う政治家の一人と

言えるのではないでしょうか。

そのような点を考えるのも面白いのではないかと思いました。

 

①まず、国内外問わず

「好きな歴史上の人物」や「好きな時代」

を挙げてもらいました。

 

予想外に「戦国武将」が大人気でした。

ゲームキャラのかっこいいイメージがあるようですね。

「戦国時代」も大人気!!

 

人々にとっては暮らしにくかっただろう戦国時代。

たくさんの人を殺したであろう戦国武将。

でも現代の留学生から見て結構いいイメージ。

 

いろいろな方面から「今から見た歴史」というものを

考えてもらいました。

 

伊藤博文クイズ

・何回総理大臣になりましたか→4回

・初回は何歳の時に総理大臣になりましたか→44才(歴代で一番若い)

 

 などいくつか簡単なクイズを出しました。

 学生はスマホを使い、膨大な情報の中から必要なところだけ

 抜き出します。拾い読み(速読)の学習です。

 

③課題文読み比べ

 多くの仕事を精力的に行った伊藤博文

 膨大な伝記の記述の中から、

「ハルピン駅」で安重根に撃たれ、

 亡くなったシーンを取り上げました。

 

ハルピンに住んでいた私にとっては、この駅は

何度も利用した思い出深い場所でもあります。

 

児童書の伝記には、亡くなった状況の記述がないことが多いです。

(人物の「仕事」に焦点が当てられるため、

人物の「エピソード」にまで言及するスペースがないのでしょうか)

この記述がある本は、必然的に博文の朝鮮統監としての

仕事ぶりについての価値判断を示すことになります。

 

そんな点が面白いなと思ったのですが、

資料を探す作業そのものが「読み比べ」であって

大変勉強になりました。そこを私がやってしまったのは

ちょっともったいなかったかなとも思いました。

 

でも、あまり時間の負担なく伊藤博文の人生の概略を知ることが

できたという点では良かったかなと思います。

実体験を結びつけた歴史学習は、本だけで学んだことと違って

記憶に残りやすいと思います。

 

授業で使った2冊はこれです。 

人物日本の歴史 13 伊藤博文と明治政府 (カラー版学習よみもの)

近代 明治、大正 (人物でたどる日本の歴史)

 

「そういえば日本に留学していたときに、

伊藤博文の別邸へみんな行って楽しかったなぁ~」

 

とずっと未来に、思い出してくれたらいいなと思います。

 

では、皆さま良いお年を!

 

 

お正月のあそび  羽子板(はごいた)

 日本語教師の吉田美登利です。

 

今年は、留学生クラスで使おうと思って、

羽子板を買いました。 

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まず、近所で子どもたちと遊んでみました。

 

お正月の遊びでは、

「凧(たこ)」「こま」をやる姿はよく見かけます。

 

でも、意外と羽子板をやっている人は少ないですね。

だからなのか、通りすがりの人が物珍しそうに眺めていったり、

声をかけてくれたりしました。

「裏返して打たないと、絵に穴があいちゃうよ~」とか。

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バドミントンやテニスより難しい気がしますが、

木の板に当たる感触と音が、気持ちいいです。

 

では、皆さまよいお年を!

 

小2の教科書「わたしはおねえさん」の原作、「わたしはすみれシリーズ」のレビュー 

本のレビュー 子どもの学習教材

 

日本語教師の吉田美登利です。

 

小2と年長の子供たちが今はまっている本

「わたしはすみれシリーズ」

これは教科書の教材「わたしはおねえさん」の元のお話です。

教科書は書き下しだそうです。

 

家では予習として、教科書の原作を読ませることにしています。

それについては以前こちらに書きました。

 

yoshidamidori.hatenablog.com

 

塾のように教科書準拠の問題集をやらせればテスト対策になりますが

(学生・院生時代には塾講師や家庭教師をいくつかしていました)

それだけで読解の力がつくのでしょうか。

能力が高い子なら逆に、教科書は学校での勉強だけにして、

どんどん難しい本を読ませた方が、実力がつく気がします。

 

娘はそんな早熟なタイプでもないので…(笑)

教科書程度のレベルで、本文に関連するお話を

楽しく読んであげることにしています。

 

教科書に採択される段階で、原作からの微調整があるようで、

子どもとそんな違いを探すのも面白いですよ!

(日本語としてちょっと変なところや、子どもにしてほしくない言動

は直されているみたいです…)

 

■1巻目の『すみれちゃん』。

すみれちゃんは幼稚園年長さん。

季節は秋。妹のかりんちゃんが生まれます。

(私自身の妹が生まれた時の経験を話したら、

とても興味を持って聞いていました)

すみれちゃん

すみれちゃん

 

 ■2巻目『すみれちゃんは一年生』

 すみれ色のランドセルをしょった一年生になります。

季節は春。

すみれちゃんは一年生

すみれちゃんは一年生

 

 ■3巻目「すみれちゃんのあついなつ」

すみれちゃんは2年生。季節は夏。

この巻が一番面白いです。

すみれちゃんは家出をしてしまうのです。

 

個人的にはこういう箇所が教科書になっていたら面白いと思うのですが、

それはないのでしょう… 残念!

すみれちゃんのあついなつ (わたしはすみれシリーズ)

すみれちゃんのあついなつ (わたしはすみれシリーズ)

 

 ■4巻目『すみれちゃんのすてきなプレゼント』

季節は冬。すみれちゃんは3年生になります。

アドベントカレンダー(12月1~24日まで日付のシールをめくったり、

扉を開いたりしてクリスマスを楽しみに待つためのカレンダー)

が出てくるところが今風だなと感じます。

 

すみれちゃんのすてきなプレゼント

すみれちゃんのすてきなプレゼント

 

 

教科書より元の本のストーリーの方が、

登場人物全員が人間味があるなと思いました。

 例えば、すみれちゃんが妹にちょっと意地悪だったり、ママと喧嘩して

家出したりします。個人的には小さな妹をすみれちゃんに押し付けて

出かけてしまうママの行動にびっくりしました。

(でもそんなところが面白い!)

 

教科書のすみれちゃんだけしか知らなかったら、もったいないなあ、

と思います。学校で先生が読み聞かせをしてくれたり(ちょっと長いので

息切れするかも?!でも、1冊が5,6節に分かれているのでどうにか読める)

教室に全冊揃えて子供が自由に読めたり出来たら良いな、と思います。

 

仕事柄、本はかならず出版年を見ます。

2000年代の本は、特にパパが現代風ですね。

(パパは残念ながら教科書には登場しません!)

すみれちゃんパパは、どこにでもいそうな今風パパでした。

ママはいつの時代もそれほど変わらないようです。

 

教科書のタイトルにあるようにテーマは「お姉さんと小さい妹」。

我が家は女子二人なので、感情移入しやすかったみたいです。

 

ストーリーに季節感がしっかり出ていて、

作者の方が自然が好きなことが伝わってくる

素敵なお話でした。

 

毎年恒例 ノーベル賞の記事の読解

 

日本語教師の吉田美登利です。

金沢八景キャンパスの上級クラスで

今年もノーベル賞関連の記事を読みました。

 

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国によっては、日本ほど大きなニュースにならない、

ということもあり「そんなに興味がない」という学生さんも多いのですが、

私の夢である「学生さんがノーベル賞を取って、その先生として

インタビューされる日が来ることです」を伝えると、

 

「え??」

となってちょっと、興味を持ってくれるようです。

 

ノーベル賞を取るなら、何賞がいいですか。どうして?」

 

などとディスカッションをすると盛り上がりますし、

私が説明せずとも、各賞についてスマホなどで調べて、

よく理解してくれますね。

 

「今までのノーベル賞受賞者で印象的な人は?」

 

というディスカッションテーマでは多くの学生さんが

「マララさん」を挙げました。

自国の受賞者を挙げる学生さんも多かったのですが、

「中学生の頃に、教科書(中国語)で読んで

印象深かった川端康成」という人もいました!

 

今年の読解記事はこの記事でした。

 

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 【記事へのリンク】

「へそ曲がり」道開く 「人がやらないこと楽しい」 大隅さんノーベル賞:朝日新聞デジタル

 

「へそ曲がり」や「のんべえ」など

難しいキーワードが沢山ありますが、

このような人物エピソードが中心のものが

楽しく読めて良いようです。

 

近年は日本人受賞者が続き、その記事を授業で使うことが多いですが、

どの国のどんな賞を取った人の記事でも、それぞれ感動的な

エピソードがあり、授業も盛り上がるように思います。

 

「良いニュース」と言われるものが少ない新聞記事の中で、

貴重なノーベル賞関連記事。

この時期は、いつも授業に利用させてもらっています。

 

 

 

椅子取りゲームで、日本語の勉強

日本語教師の吉田美登利です。

今年度から4学期制になったすずかけ台キャンパスでは、3クオーターが今日から始まりました。

 

久しぶりだったせいか

みんな、日本語を忘れていました…

元気を出してもらおうと、連体修飾語の練習で「椅子取りゲーム」をしました。

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眼鏡をかけている人、

ズボンを履いている人、

結婚している人、

 

日本語教育では定番のゲームですが、

久しぶりにやりました。

 

吉田先生が好きな人?

 

と自ら聞いてしまいました。

皆(しょうがないので?!)立ち上がってくれました〜

 

大学院生、研究員しかいない

大人ばかりのすずかけ台のクラス。

椅子取りゲームも紳士的でした。

(そうでない所の方が今まで多かったような…)

 

昨日は大隅教授のノーベル賞受賞会見があり、取材が詰めかけていたそうですが、今日はいつも通り静か過ぎる大学院キャンパスに戻りました。

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私の目に触れた張り紙もこの2つだけ。

 

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工業大学なのに、何故かいつもアナログを感じさせるこの大学。やっぱり今回もアナログな張り紙でした。

 

「私の夢は、学生がノーベル賞を取ってその先生としてテレビでインタビューされること」と毎年学生さんに言っています。本当にそんな日が来るような気がします。アメリカに留学した日本人がノーベル賞を取るように、日本に留学した外国人が沢山ノーベル賞を取ってくれる未来が来たらステキですね!